運動をしている10代のこどもで腰痛がある人は腰椎分離症かもしれません
- 2025年01月29日
・お子さんで特に10歳から15歳くらいまでの10代前半で腰の痛みが続く場合、腰椎分離症になっているかもしれません。
・特に腰を曲げたりのばしたりして痛みがある場合、またスポーツを活発にしているお子さんの場合腰椎分離症の可能性があります。
・腰椎分離症かどうかはレントゲン検査ではわからない場合が多くMRIやCT検査などでくわしく調べる必要があります。
・腰椎分離症の治療は運動をお休みしてもらいコルセットをつけたりリハビリをしますが、運動を続けながら様子をみることもできます。
大人の方では腰痛をお持ちの方は多いですが、こどもで腰が痛い方はあまり多くありません。腰痛の原因はさまざまですが、こどもの場合単に筋肉痛や疲れなどからくるものやひねったりぶつけたりなどの軽いけがなど一時的なものが多いと思われます。
その中でも痛みがしばらく続いたり運動しているときや運動が終わった後に痛い場合などに腰椎分離症を考える必要があります。
お子さんのなかでも特に10歳から15歳の10代前半の成長期に多いといわれています。この時期はまだ骨格が完成しておらず体がどんどん大きくなり運動も活発になり骨の弱い部分に負担がかかり起こってしまう疲労骨折の一種です。具体的には腰の骨の椎弓と呼ばれる部分に、ジャンプや腰をひねるなどの動作などでくりかえし衝撃がかかりだんだんひびがはいってしまうと言われています。
ですから腰椎分離症のほとんどのお子さんはなんらかのスポーツ活動を行っていますが、なかには学校の体育だけしかしていない場合もありますので激しい運動をしていないからだいじょうぶではないようです。
症状は腰痛で、腰の右や左側が痛いということが多いですが、真ん中や全体的に痛いこともあります。押されると痛い、じっとしていても痛い場合もありますが、体を前に曲げたり後ろにそらしたときに痛みがはっきりする人が多いです。
腰椎分離症と診断するためには検査をしますが、腰痛がおこりはじめて腰椎分離症になりかけのころはふつうにレントゲン検査をしてもわかりません。しばらく時間がたち完全に骨が分離してからレントゲンでわかるようになります。そのために腰椎分離症になりはじめているかどうかの診断にはMRI検査を行うことになります。
MRIなどで腰椎分離症の初期と診断された場合、そのまま何も治療せずに運動を続ければ完全な腰椎分離症にすすんでしまうため、しばらく運動をお休みしたり、しっかりしたコルセットを腰につけてもらったり、ストレッチなどのリハビリを行います。運動をお休みしたくない方はリハビリをしながら運動を続けていきます。病院に来た時点で腰椎分離症が進行している場合も、運動をつづけながらリハビリなどで様子をみることとなります。
完全に腰椎分離症になってしまったり、分かった時にはすでに分離症になっている人でも、ずっと腰が痛かったり、運動や重労働ができなくなってしまうわけではなく運動や仕事などの負担によって痛みなどの症状はあったりなかったりします。大事なことは体幹などの筋力をしっかりつけていきストレッチなどでメンテナンスを行い、できるだけ腰に負担のかからないような体の使い方や動きを身につけていくことで、そのためには自分で運動していくことが前提ですが、病院でのリハビリテーションなどで正しい方法を身に着けていただくことも重要です。
大人の方もふくめて、特に活発に運動をされている10代のお子さんで腰痛をお持ちの方はぜひ一度整形外科を受診してみてください。